第33回島根大学ミュージアム市民講座「子ども達の“農力”を引き出す場づくり-身近な雑草と触れ合いながら-」 (フィールドワーク・まつえ市民大学連携講座)

講師:山岸 主門(島根大学生物資源科学部准教授・島根大学ミュージアム兼任研究員)

日時:平成23年4月23日(土) 午後1:00~2:30

場所:島根大学松江キャンパス・正門付近集合

主催:島根大学ミュージアム

共催:島根大学生涯学習教育研究センター・まつえ市民大学

その他:
・参加申込み不要
・参加費無料



かつて植物と人間とは、バランスを保ちながら共存を図ってきました。人々は植物を利用するために、身のまわりに有用な植物を残したり、里の植物を植えたり、半自然状態で巧みに管理を施してきたわけです。

しかし、近年、人間は必要以上に自然に介入した結果、植物のすみかを奪ってきました。逆に、人々は自然に対して適切に働きかけをする暮らしを失ってしまった結果、強い植物ばかりが繁茂し、里の環境に依存していた多くの植物たちの生存の場が奪われている、という現実もあります。

この植物と人間との関係性の変化と時を同じくして、子どもを取り巻く自然や社会の環境も大きく変わりました。子どもたちがよく利用していた空き地や路傍などの遊び場も、遊びの相手にした豊富な動植物も、さらに遊びの時間的ゆとりまで著しく失われています。昔は当たり前だった、戸外での素朴な手づくりの遊びなど、伝承的な草花遊びを改めて見直していくことが大切だと思っています。

今回の市民講座は島根大学正門近くの屋外フィールドで実施しますが、隣のスペースでは、島根大学学生サークル「プレプレまつえキッズ」による「冒険遊び場(プレーパーク)」が開園され、地元の子どもたちが元気よく遊んでいることと思います。

そんな子どもたちの歓声を聞きながら、キャンパス内にある身近な雑草(ヨモギ、タンポポ、シロツメクサ、コメツブツメクサ、スズメノカタビラ、ヤエムグラ、スギナ、タネツケバナ、カラスノエンドウなど)を「目」で観察するだけでなく、「耳」で音を聞いたり、「鼻」で匂いをかいだり、「指」触ったり、「口」で味わったりしながら、春のひとときを楽しく過ごそうと思います。

その中で、植物と人間とのちょうどいい関係について考え、さらに、身近な小さな自然の中で子どもたちが自由に遊ぶ環境をつくっていくために私たち大人ができることは何かを皆で思い描くことができれば、と考えています。

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