第2回島根大学ミュージアム特別講座in広島「出雲のたたら製鉄」を開催しました。

11月2日(土)、広島市まちづくり市民交流プラザ(広島市中区袋町)にて、第2回島根大学ミュージアム特別講座in広島「出雲のたたら製鉄」を開催しました。

今回は、島根大学OBでもある角田徳幸博士(島根県教育庁文化財課企画幹)に講師をつとめていただき、たたら製鉄の工程や経営について、分かりやすく解説をしていただきました。

前半は、砂鉄の採取、木炭の生産、製鉄場の様子、高殿(たかどの)の構造などについて、絵図や古写真、発掘調査の記録写真を用いて、解説がありました。

後半は、明治時代の操業記録や江戸時代の古文書などから、たたら製鉄の経営形態についての解説がありました。

たたら製鉄は、日本刀の材料となるを中心に生産するイメージがありますが、実際には炭素を多く含む銑鉄(せんてつ)が主体に生産されました。銑鉄は、大鍛冶場で鍛錬(鍛造精錬)して、不純物や炭素を取り除くことによって、包丁鉄(割鉄)に生まれ変わりました。中国山地山間部では、安く重たい銑鉄をそのまま出荷するのではなく、値段の高いこうした包丁鉄に加工してから販売することで、収益性を高めていたようです。

次回の特別講座in広島は、11月30日(土)、第3回「弥生時代の出雲青銅器文化」です。ご期待下さい。

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