第4回島根大学ミュージアム特別講座in広島Part2「再生される四隅突出型墳丘墓」を開催しました。

 1月21日(土)、広島市まちづくり市民交流プラザ(広島市中区)にて、第4回島根大学ミュージアム特別講座in広島 part2 「再生される四隅突出型墳丘墓」を開催しました。

 この講座は、平成25年度に島根大学ミュージアム特別講座in広島「出雲文化へのいざない」を開催した際、大変好評で、再度の開催要望が多く寄せられたことから、パート2として企画したものです。

 今回の講師は、弥生時代から古墳時代を専門に研究されている岩本崇先生(島根大学法文学部准教授)が務められ、出雲の古墳について解説されました。

 日本の古墳には、前方後円墳・前方後方墳・円墳・方墳など、様々な形態がありますが、近畿で前方後円墳が築造されるのに対して、出雲の古墳時代前期では、方墳が多くみられることが特色になっています。これがなぜなのかについては、様々な議論がなされてきました。

 弥生時代の出雲では、四隅突出型墳丘墓という方形墳丘の四隅コーナー部が突出した、特異な形の墳丘墓が造られています。後続する古墳時代に出雲で方墳が多いのは、四隅突出型墳丘墓の在地的な伝統が残存したという解釈と、前方後円墳>方墳といった墳丘の形によるランク付けを倭王権が列島の広範囲で行ったためという考えなどがあります。

 そこで岩本准教授は、島根県安来市の荒島墳墓群にみられる前期方墳について、墳丘・埋葬施設・副葬品などを詳しく分析されました。そして、出雲にある前期方墳は、本質的には異なるものの、弥生時代の四隅突出型墳丘墓が、いわば「復古再生」されたものであると解釈できないかという一仮説を提示されました。

 このことは、出雲一地域にとどまらず、日本の古墳時代がどのような社会・時代であったかを考えるうえで、重要な課題となります。聴講された方々にも、資料やスライドを見ながら、一緒に考えていただくことができました。

 今回も満席で、広島の多くの皆さまに古代出雲の歴史や謎について、学んでいただきました。ありがとうございました。

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