2017年7月1日土曜日

第97回島根大学ミュージアム市民講座「松江市内の国引きジオパーク・ジオサイトを学ぶ」を開催しました。

 本日午後、松江スティックビル(松江市白潟本町43番地)にて、第97回島根大学ミュージアム市民講座「松江市内の国引きジオパーク・ジオサイトを学ぶ」を開催しました。この講座は、平成29年度島根大学ミュージアム市民講座第1ステージ「 ”国引きジオパーク”を目指して!」 (まつえ市民大学連携講座)の第3回になります。

 今回の講師は、辻本彰先生(島根大学教育学部講師)が務められました。講演では、構想されている”国引きジオパーク”エリア内のうち、松江市内にあるジオサイトについて紹介されました。

 島根半島や宍道湖・中海周辺には、日本列島がまだ大陸と引っ付いていた時代(約6000~3000万年前)、大陸から分裂を始めた時代(約2500~1700万年前)、日本列島が大陸から離れ日本海が拡大した時代(約1700~1500万年前)、日本列島が形成された時代(約1500万年前~現在)の各時代の地層を見ることができます。

 このうち、大陸から分裂を始めた時代(約2500~1700万年前)のジオサイトとしては、美保関サブエリアで見ることができます。例えば、「宇井の古浦層」「美保関の海食崖」では、メタセコイアやビーバーの化石などが見つかっています。

 日本海が拡大した時代(約1700~1500万年前)のジオサイトとしては、シジミの化石などが産出する松江市鹿島町の「古浦海岸」があります。また、約1600万年前の海底火山の噴出物からできている美保関の「沖の御前」という島、約1600万年前に深海で堆積した黒色泥岩からなる「惣津海岸と明島」などの紹介がありました。

 日本列島が形成された時代(約1500万年前~現在)のジオサイトとしては、「須々海海岸の洗濯岩」があげられます。海底で地すべりが起こることによって、砂が下にたまり、泥が上にたまります。それが繰り返されることで、砂と泥が縞々に重なった層ができます。その互層が隆起して海岸になり、泥の部分がよく浸食されることで、まるで洗濯板のような凸凹とした地形が形成されるわけです。
 『出雲国風土記』の神話の舞台にもなっている松江市島根町の「加賀の潜戸」は、千数百万年前の海底での火山活動によって堆積した凝灰岩、土石流・乱泥流の堆積岩を見ることができます。その後、隆起して出来た断層が波に浸食されて、女神が矢を貫いたといわれる洞窟ができました。「佐波海岸」でもこの時期の海底火山の活動を示す痕跡を見ることができます。
 このほか、「花仙山のメノウ脈」、宍道湖の「嫁が島」、「茶臼山」など、松江市内には様々な学術的に貴重なジオサイトがあります。

 また、中海に浮かぶ松江市八束町の「大根島」は、約20万年前の火山です。大根島には地下に溶岩トンネルが形成されており、固有種のムシや稀少なエビ・ムカデなどが生息しているそうです。ここでボランティアガイドをされている方からの見学会のお知らせもありました。

 講演では、島根半島から発掘された化石や岩石を手に取って見たり、砂と泥が水中で分離して堆積する様子を観察する実験なども行われ、参加者の皆様はジオパークの魅力を実感されていた様子でした。
 【関連記事】

0 件のコメント:

コメントを投稿